服に毛玉ができたときは、手でむしらず、少量なら小さなハサミ、広い範囲なら衣類に対応した毛玉取り器で処理するのが基本です。
毛玉は生地から出た繊維が絡み合ってできているため、指で引っ張ると周囲の繊維まで引き出してしまうことがあります。また、毛玉取り器も強く押し付ければ生地を傷めるおそれがあります。
この記事では、服の毛玉をできるだけ生地を傷めずに取る方法から、ハサミや毛玉取り器の使い分け、手で取るなど避けたい方法、毛玉をできにくくするポイントまで解説します。

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服の毛玉を取る前に確認すること
毛玉を見つけても、すぐに引っ張ったり切ったりするのは避けましょう。まずは本当に毛玉なのか、どの範囲にできているのか、生地に毛玉取り器を使えるのかを確認します。
毛玉なのか飛び出した糸なのかを確認する
表面で細かな繊維が絡まり、丸いかたまりになっているものは毛玉と考えられます。一方、1本の糸が長く飛び出していたり、生地が引きつれていたりする場合は、毛玉ではなくほつれや糸の引きつれの可能性があります。
判断できない状態でハサミを入れると、必要な糸まで切ってしまうおそれがあります。毛玉かどうか分からない場合は、無理に切らないようにしましょう。
毛玉が数個だけか広範囲かを見る
毛玉が数個だけなら、小さなハサミで1つずつ処理しやすい状態です。
反対に、セーターやスウェットの広い範囲に細かな毛玉ができている場合は、1つずつハサミで切るより、衣類に対応した毛玉取り器を使ったほうが作業しやすいことがあります。
大切なのは「どの道具が一番よく取れるか」ではなく、必要以上に生地へ負担をかけない方法を選ぶことです。
生地の厚さ・毛足・装飾部分を確認する
毛玉取り器は、すべての服に同じように使えるわけではありません。
たとえば小泉成器の毛玉取り器の取扱説明書では、薄くデリケートなもの、毛足が長いもの、縫い目・刺しゅう・編み込み部分、高級品や貴重品などには使用しないよう案内しています。
毛玉取り器を使う前に、衣類の素材や状態だけでなく、使用する毛玉取り器の取扱説明書も確認してください。
服に毛玉ができる原因
毛玉は、単に服が古くなったからできるわけではありません。大きく関係しているのが、着用中などに起こる生地表面の摩擦です。
摩擦で繊維が毛羽立って絡み合う
東京都クリーニング生活衛生同業組合によると、生地の表面が摩擦されると繊維が引き出され、それらが絡み合うことで毛玉が発生します。
つまり毛玉は、生地とは別の汚れが付着したものではなく、もともと衣類を構成していた繊維の一部です。
そのため、毛玉を強く引っ張ったり何度も削ったりすると、周囲の繊維まで失われる可能性があります。詳しい仕組みは、東京都クリーニング生活衛生同業組合「セーターに毛玉ができた」でも確認できます。
脇・袖・バッグが当たる場所は毛玉ができやすい
毛玉は、特に摩擦が繰り返される部分に目立ちやすくなります。
- 脇の下
- 袖口
- ひじ
- 腰まわり
- リュックやショルダーバッグが当たる部分
- 重ね着した服同士が擦れる部分
いつも同じ場所に毛玉ができる場合は、その部分にバッグや上着などが繰り返し当たっていないか確認してみましょう。
洗濯中の摩擦も毛玉につながることがある
着用時だけでなく、洗濯中にも衣類同士は接触します。特に毛玉が気になる衣類は、まず洗濯表示を確認し、その衣類に適した方法で洗うことが大切です。
衣類によっては、洗濯ネットや弱い水流のコースが指定・推奨されている場合があります。洗濯方法を自己判断で固定せず、衣類の表示を優先してください。
服の毛玉を生地を傷めずに取る方法
毛玉を取るときは、服を着たまま処理するのではなく、平らな場所に置いて少しずつ作業するのが基本です。毛玉の量に応じてハサミと毛玉取り器を使い分けましょう。

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STEP1|服を平らな場所に置いてシワを伸ばす
まず服をテーブルやアイロン台などの平らな場所へ置き、作業する部分のシワを伸ばします。
毛玉取り器メーカーのテスコムも、毛玉を取りたい衣類を平らな場所に置き、シワを伸ばしておくよう案内しています。
服を手やひざの上に置いたまま毛玉取り器を使ったり、服を着た状態で処理したりするのは避けてください。
STEP2|少ない毛玉は小さなハサミで切る
数個だけ目立つ毛玉なら、手芸用などの小さなハサミで1つずつ切る方法があります。
毛玉を指で引っ張って持ち上げるのではなく、生地を平らにした状態で毛玉だけを確認し、生地そのものを切らないよう慎重に処理します。
白洋舍も、大きく浮いた毛玉は小さなハサミなどで1つずつ切り、生地の根元ぎりぎりではなく少し浮かせた位置で切る方法を紹介しています。
ただし、広範囲をハサミだけで処理しようとすると時間がかかり、誤って生地を切るリスクも増えます。毛玉の数が多い場合は無理に続けないようにしましょう。 あわせて、服が縮んだときの戻し方を5手順で解説もご覧ください。
STEP3|広範囲なら毛玉取り器を軽く滑らせる
広い範囲に細かな毛玉ができている場合は、衣類に使用できる毛玉取り器を検討します。
テスコムの毛玉クリーナーの取扱説明書では、外刃を軽く布地に当ててゆっくり動かし、強く押し付けないよう案内しています。強く押し付けると、生地を傷める原因になります。
テスコム「毛玉クリーナー KD501 取扱説明書」でも、使用前に衣類を平らにし、目立たない部分で試すことや、使用できない生地・箇所が示されています。
実際に使用するときは、この記事の方法よりも手元にある毛玉取り器の取扱説明書を優先してください。
STEP4|一気に取り切ろうとせず途中で生地を確認する
毛玉が残っていると何度も同じ場所へ毛玉取り器を当てたくなりますが、必要以上に繰り返すのは避けましょう。
一度処理したら手を止め、毛玉の残りだけでなく、毛羽立ちが増えていないか、生地が薄くなっていないかも確認します。
毛玉は衣類の繊維からできています。毛玉だけを取っているつもりでも、除去を繰り返せば生地の繊維は少しずつ失われます。
毛玉の量・服の状態で取り方を変える
毛玉の取り方に「すべての服でこれが正解」という方法はありません。毛玉の量と生地の状態を見ながら、ハサミと毛玉取り器を使い分けます。
| 毛玉・服の状態 | 第一候補 | 注意点 |
|---|---|---|
| 毛玉が数個だけ | 小さなハサミ | 生地まで切らない |
| 広範囲に細かな毛玉 | 毛玉取り器 | 対応する衣類か説明書を確認する |
| 薄手・デリケートな服 | 使用可否を確認 | 毛玉取り器を使えない場合がある |
| 縫い目・刺しゅう付近 | 個別に状態確認 | 毛玉取り器を避ける場合がある |
| 糸が長く飛び出している | すぐ切らない | 毛玉ではなくほつれ等の可能性を確認 |
毛玉が数個だけならハサミで処理しやすい
セーターの胸元に2〜3個だけ目立つ、といった状態なら、小さなハサミで個別に処理しやすくなります。
ただし、生地に密着した小さな毛玉を無理に根元から切ろうとする必要はありません。服を傷めてまで完全に取り切るより、目立つ毛玉だけを慎重に処理するほうが安全です。 別の症状や素材の場合は、セーターが縮んだら元に戻せる?柔らかさとフェルト化で簡単に判断する方法も参考になります。
広範囲なら毛玉取り器が向いている
スウェットやニット全体に細かな毛玉がある場合は、ハサミで1個ずつ切るより毛玉取り器のほうが作業しやすいことがあります。 関連するお手入れについては、ニットの毛玉の取り方はどれが正解?毛羽立ちとの違いと傷めにくい3つの対処法も参考にしてください。
ただし、使用できる生地やアタッチメントの設定は製品によって異なります。「毛玉取り器だから何にでも使える」と考えず、必ず使用する機種の説明書を確認してください。
薄手・毛足が長い服・装飾部分は特に慎重にする
レースやタイツのような薄いもの、モヘアなど毛足の長いもの、刺しゅうや編み込み、縫い目などは、毛玉取り器によって使用不可とされている場合があります。
また、生地がすでに薄くなっている部分やほつれている部分も、毛玉取り器を当てることで傷みが広がる可能性があります。
デリケートな服や高価な服は、自宅で無理に処理せず、クリーニング店などへ相談することも選択肢です。
服の毛玉でやってはいけない取り方
毛玉は取れればよいわけではありません。見た目だけを早く整えようとして強く引っ張ったり削ったりすると、毛玉より大きなダメージを残すことがあります。

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毛玉を手で引っ張ってむしり取る
毛玉を指でつまんでブチッと取る方法は避けましょう。
東京都クリーニング生活衛生同業組合では、指で毛玉をつまみ取るとさらに繊維が引き出されるため、ハサミで切るか毛玉取り器を使うよう案内しています。
手で簡単に取れそうな毛玉でも、その毛玉はまだ服の繊維とつながっています。無理に引っ張れば、周囲の正常な繊維まで一緒に引き出しかねません。
毛玉取り器を強く押し付ける
毛玉がなかなか取れないからといって、毛玉取り器を服へ強く押し付けないでください。
押し付ける力を強くするのではなく、一度止めてシワや毛玉の状態、機器の設定を確認します。
同じ場所を何度も往復させるのも、生地への負担を増やす原因になります。
カミソリで広範囲を削る
T字カミソリを毛玉取りの代用品として紹介する方法もありますが、刃が直接生地に触れるため、生地そのものを切ったり削ったりするリスクがあります。
白洋舍も、カミソリを使う方法について、生地を傷める可能性があり、デリケートな素材や目の粗いニットには適さないとしています。 関連するお手入れについては、ニットの伸びた部分を戻すには?失敗しない5STEPとやってはいけない直し方も参考にしてください。
生地を傷めにくい方法を優先するこの記事では、カミソリを第一選択にはしません。
縫い目・刺しゅう・ほつれまで一緒に処理する
毛玉取り器は平らな面だけを処理するつもりでも、縫い目や刺しゅう、ファスナー周辺などへそのまま滑らせると、刃が引っかかる場合があります。
凹凸がある部分や糸が出ている部分に近づいたら、一度作業を止めて状態を確認しましょう。
服に毛玉をできにくくする方法
毛玉を取る回数を減らすには、できてからの処理だけでなく、日常的な摩擦をできるだけ減らすことが重要です。
バッグや上着との摩擦を減らす
いつも同じ部分に毛玉ができる場合は、服そのものだけでなく着方を確認してみましょう。
ショルダーバッグのベルト、リュック、アウター、重ね着した衣類などが繰り返し擦れると、その部分の繊維が毛羽立ちやすくなります。
バッグを毎回同じ肩に掛けている場合は、毛玉が集中している場所と一致していないか確認してみてください。
同じ服を連日着続けない
同じ衣類を連日着用すると、同じ部分へ繰り返し摩擦がかかります。
特に毛羽のあるニットなどは、着用後に状態を確認し、毛玉が目立ち始めていないかを見る習慣をつけると、大量にできてからまとめて削る状況を避けやすくなります。
洗濯するときは衣類の表示に合った方法を選ぶ
洗える衣類は、まず洗濯表示を確認します。衣類によっては、弱い水流のコースや洗濯ネットを使用した洗い方が適している場合があります。
たとえばライオンの「アクロン」は、洗濯中の毛玉や着用中のこすれ毛玉を防ぐ機能を案内しています。ただし、洗剤だけで毛玉を完全に防げるわけではなく、使用できる衣類や洗濯方法は各衣類の表示を優先してください。
毛玉が小さいうちに必要最小限だけ整える
毛玉を長期間放置して大きくなってから強く削るより、目立つ毛玉が少ない段階で状態を確認するほうが処理範囲を小さくできます。
ただし、毛玉取りを頻繁に行えばよいという意味ではありません。毛玉を除去するたびに衣類の繊維も少しずつ失われるため、必要な部分だけを必要な回数で処理することを意識しましょう。
服の毛玉についてよくある質問
毛玉を取るときに迷いやすい「手で取ってよいか」「ハサミで切ってよいか」「安価な毛玉取り器でも同じか」という疑問をまとめます。
服の毛玉は手で取っても大丈夫ですか?
基本的にはおすすめしません。毛玉を指で引っ張ると、その毛玉につながっている周囲の繊維まで引き出してしまう可能性があります。毛玉が少ない場合は小さなハサミで慎重に切り、広範囲の場合は衣類に対応した毛玉取り器を検討しましょう。
毛玉はハサミで切っても大丈夫ですか?
毛玉が数個程度なら、小さなハサミで1つずつ処理する方法があります。ただし、毛玉を強く引っ張らず、生地まで一緒に切らないことが重要です。生地に密着した毛玉を無理に根元から切ろうとせず、慎重に作業してください。
100均などの毛玉取り器でも使い方は同じですか?
基本的な仕組みが似ていても、使用できる素材、アタッチメント、押し当て方などは製品ごとに異なります。「毛玉取り器なら全部同じ」と考えず、価格にかかわらず使用する製品の取扱説明書を確認してください。
まとめ|服の毛玉は手でむしらず適切な道具で取る
服の毛玉は、手で引っ張ってむしらず、毛玉の量や生地の状態に合わせてハサミや毛玉取り器を使い分けるのが基本です。
数個だけなら小さなハサミで慎重に切り、広範囲なら使用できる衣類を確認したうえで毛玉取り器を軽く滑らせます。毛玉取り器を使うときは服を平らにしてシワを伸ばし、強く押し付けないようにしましょう。
薄手の衣類、毛足の長い素材、刺しゅうや縫い目などは毛玉取り器を使えない場合があります。毛玉を完全に取り切ることよりも、服そのものを傷めないことを優先して必要な範囲だけ処理することが大切です。



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